レポート

第65回日本手術看護学会東海地区大会 報告書

セミナー報告概要

開催日時
2025年11月8日(土) 9:30〜16:30
開催場所
名古屋市立大学病院
参加者
551名(会員202名 非会員349名)

第65回日本手術看護学会東海地区大会にご参加いただきありがとうございました。今回は初めて大学病院開催となり、当日は551名の皆様にご参加いただき、すべてのプログラムを予定通り終えることができました。
大会のテーマを「周術期看護の原点回帰~進化する医療の中で私たちだからこそできること~」とし、変化の激しい医療環境の中で、看護の本質を見つめ直す機会といたしました。

特別講演に大阪急性期・総合医療センターの弥武美紀子先生をお迎えし、「手術室看護師として災害にどう備えるか〜サイバー攻撃を受けた体験から学ぶ〜」と題してご講演いただきました。実際のサイバー攻撃を経験した医療機関の視点から、情報システム障害時の対応や、チームとしての備えの重要性について学び、多くの方から大変好評をいただきました。

シンポジウムは「手術室における医療DXの活用」をテーマに、継続看護の実現、手術スケジュール管理、遠隔教育システム、物品管理など、デジタル技術を活かした現場の工夫や課題について議論が行われました。看護実践におけるDXの可能性を共有し、今後の発展に結びつく有意義な時間となりました。

看護研究の演題発表では、各施設から周術期看護に関する実践的な研究9題の発表がありました。最優秀演題賞は榛原総合病院 後藤知紗さん「A病院における手術室看護師のストレス実態把握と全国比較」が受賞されました。また名古屋市立大学看護学部教授の明石惠子先生による講評と看護研究レクチャーは分かりやすく、今後各施設で参考となるものでした。

ランチョンセミナーでは、中部国際医療センターの麻酔・疼痛・侵襲制御センター 緩和ケアセンター長の杉山陽子先生に周術期における疼痛管理の考え方についてご講演いただきました。美味しいお弁当を食しつつ学びを深める機会となりました。

大学病院ならではの企画として、手術室見学ツアーを実施いたしました。スマートエントランスシステムを体験できる貴重な機会として多くの関心を集めましたが、見学希望者多数となり、全員の参加が叶わなかったことは今後の課題となりました。

例年恒例となっております「認定看護師相談室」は、23名の方の相談がありました。キャリア形成・手術認定看護師・特定行為看護師に関すること以外にも、体位固定方法・看護記録・手術器械医材・マニュアルなど多岐に渡った相談に対応いたしました。今後も手術看護に関して皆様と共に考えていきたいと思いますので、「認定看護師相談室」のご活用をお待ちしております。

日本保健福祉ネイリスト協会による「指先のケアはオペ看の基本」、名古屋モード学園の学生による「パーソナルカラー診断・メイク」、各企業による「企業展示」も大変好評を博しました。

これからも皆様から寄せられたご意見をもとに、より満足度の高い大会を目指してまいります。次回大会は引き続き名古屋市立大学病院での開催が予定されています。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしております。
最後に、会場をご提供くださった名古屋市立大学病院の皆様をはじめ、運営にご協力いただいたすべての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

日本手術看護学会 東海地区幹事一同

アンケート結果

1.回答者の手術看護師経験年数内訳(割合)

幅広い手術室経験年数の方にご参加いただいてます。

2.今大会を知ったきっかけ(複数回答 n=249)

学会からのポスターやHP、上司の勧めが大会を知る主なきっかけになってます。

3.総合的な満足度(n=213)

アンケート回答者の88%以上の方に「総合的に満足」とご評価いただきました。

4.各プログラムの満足度(n=213)

5.会場へのアクセスと 6.会場の設備等について(n=213)

7.次大会の会場はどちらが良いか(n=213)

8.東海地区大会に対するご意見

1)手術室見学・特別企画に関する意見

  • 他施設の見学は貴重な機会であり、非常に勉強になった。(4名)
  • 定員が少なすぎて参加できず残念だった。枠を増やしてほしい。(10名)
  • 先着順ではなく、事前申し込みや抽選制にしてほしい。(7名)
  • 受付開始時間が不明確で混乱した。周知不足を感じた。(9名)
  • ハンドケアやパーソナルカラー診断、ネイルなどの新しい試みは非常に好評だった。(4名)

2)会場・設備・アクセスに関する意見

  • 本会場が狭く、席の確保が困難だった。もっと広い会場を希望する。(6名)
  • 企業展示ブースが複数の場所に分散しており、移動に時間がかかる。(5名)
  • 通路やブース内が窮屈で、ゆっくり見学できる環境ではなかった。(3名)
  • 昨年度までの会場(ウインクあいち)に比べ、交通の便が悪く感じた。(2名)
  • 病院内の案内表示が小さく、数も少なかったため、掲示板や看板を増やしてほしい。(5名)
  • サテライト会場は、周囲の雑談や業者ブースの声で音声が聞き取りにくかった。(5名)
  • サテライト会場でも演者の表情が見えるようサブモニターに映す工夫がほしい。(2名)

3)運営・事務局対応に関する意見

  • 参加証と名札ケースのサイズが合っておらず、入れにくかった。(2名)
  • 領収書の金額を修正ペンで書き直すのは、運営の信頼性に関わるため控えてほしい。(1名)
  • QRコード受付や電子抄録の導入など、IT化を進めてほしい。(2名)
  • 院内にも拘らず、マスクなしの会話や飲食など感染対策への意識の低さを感じた。(1名)
  • 患者や家族と同じエレベーターを使用する際、配慮が欠けている場面があった。
    階段利用の推奨など、患者優先のアナウンスを徹底すべき。(2名)

4)プログラム・内容に関する意見

  • サイバー攻撃や医療DXなど、身近で質の高い発表が多く、非常に勉強になった。(4名)
  • 質疑応答の時間が少なく感じた。活発な議論ができる時間を確保してほしい。(2名)
  • 特定看護師や術後疼痛管理など、旬の話題をシンポジウム形式で取り上げてほしい。(1名)

9.今後希望する開催形態(n=213)

10.今後の地区大会における要望テーマ・企画案

1) 災害対策・安全管理

  • 災害対策・災害看護の実践(自然災害への備え、中規模施設のBCP対策など) (5名)
  • 心理的安全性と医療安全、アレルギーへの対応 (各1名)

2) 最新技術の活用(DX・AI・ICT)

  • 最新のDX情報・DX加算について (2名)
  • AIの活用(AIによる勤務表作成、手術枠の選定、医療現場での具体的な活用法) (2名)
  • リアルタイムアンケートツールを用いた参加型企画(会場全体での情報共有・交換) (1名)

3) 教育・スタッフ育成

  • 新人教育・教育体制の構築 (3名)
  • 手術室看護師の展望と求められる能力、モニター観察・管理のポイント (各1名)

4) チーム医療・タスクシフトシェア

  • タスクシフト・タスクシェアの実際(CEとの協働、法的・安全な実施方法) (2名)
  • 特定看護師の活動報告 (1名)
  • 他部署との連携・周術期管理外来での取り組み (2名)

5) 運営・管理・コスト

  • 手術室の運営効率化と看護の質向上 (1名)
  • 医療材料の管理・コスト削減への取り組み(期限管理や赤字削減の工夫) (1名)

6) 各領域の専門看護

  • 小児手術看護(麻酔内容、術前プレパレーション、子どもに優しい環境作り) (2名)
  • 倫理カンファレンスの具体的な取り組み (1名)

7) 看護研究・レクチャー

  • 実践的な看護研究・レクチャー(意識調査の他に具体的な工夫を検証する実践研究) (2名)

8)手術室見学・他施設との情報共有

  • 手術室見学の継続と枠の拡大(他施設の状況を知る貴重な機会として) (3名)
  • 他施設との情報共有コンテンツ(夜勤・オンコール回数や困りごとの共有) (1名)

以上

*皆様のアンケートへのご協力に感謝申し上げます

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